というわけで後編です。
この曲が出来た当時、ホンキ!はめっちゃライブしていたのもあり、ギター2人体制。
基本的にライブは前ギターのあかばちゃんが弾いていて、僕はホントにたまにライブでギターを弾くような感じでした。
だから、あかばちゃんがまずこの曲を育ててくれました。
四季盤の『春』はちょうどその頃だったのもあり、実は『春』に収録されている『ソメイヨシノ』では僕はそんなに弾いていません。一応、一部弾いていますが、あくまで味付け程度で弾いています。
というわけで『春』に収録されている『ソメイヨシノ』はあかばちゃんのギターです。丁寧でキラキラしてて綺麗であの感じも凄く好きです。
そしてこの『春』を発売した日のライブであかばちゃんがホンキ!を卒業し、僕がライブでも弾くようになりました。
そんなある日、今の自分にも繋がる大きな転機となる1つのライブがありました。
僕のギター人生の中で唯一であり永遠のライバルの海野のいるバンド『月がさ』との対バン。確かホンキ!のが出番が先で、月がさのが後の出番でした。
その時の月がさのライブが凄くカッコ良くて。凄まじい熱量でキラキラしているステージとフロア。その光景を見たら「ああいう風にはなれないな」ってふと思って。そしたら自然と泣いていました。
きっと『ソメイヨシノ』のイントロに込めた気持ちによって消化出来たと思ってた「カッコ良いギターを弾きたい。カッコ良いバンドがやりたい。」って感情だったんだと思います。だから『感動』の涙ではなくて、『悔しさ』の涙。多分、ホンキ!でギターを弾く中で最初で最後の『挫折』だと思います。
だけど、この挫折が自分にとっては大きな転機になりました。
『カッコ良いとかじゃなくて歌に寄り添うギターが弾きたい。そしてとにかく音楽を楽しみたい。』
この頃からそう思い始め、多分これが自分にとってアシタカラホンキ!でギターを弾き続ける理由というか答えなのかもしれません。やっぱりでギターを弾く前もギターを弾き続けている今もアシタカラホンキ!の歌が好きなので。
そんな訳で色々な葛藤とか挫折を経て、弾き続けている『ソメイヨシノ』のイントロ。
このイントロが無かったら、多分今もホンキ!でギターを弾き続けてないと思います。
だからこのイントロには特別な想いがあるので、このイントロを弾いた時に笑顔になって貰えたり、コピーして弾いてくれたりするのが凄く嬉しいです。本当にありがとうございます。
最後に、僕は楽しいからギターを弾いているし、好きだから音楽を楽しみながら生活しています。好きなものを楽しみ続けたら、好きなものや人が沢山増えたり、忘れられない思い出が沢山出来ました。これからも変わらず音楽を楽しみながら過ごしていけたらなと思います。
前後編となってしまいましたが、ここまで御読み頂きありがとうございました。